第2回 社団法人 全国銀行協会


日本の金融機関の業界団体である全国銀行協会、通称「全銀協」にインタビューしました。

全国銀行協会(略称:全銀協〔英文名 “Japanese Bankers Association”、略称:JBA〕)

Q1:全国銀行協会は、どのような目的を持って活動を行っているのでしょうか?
 全銀協は、わが国における銀行の健全な発展を図り、経済の成長と国民生活の繁栄に寄与することを目的として、次のような事業を行っています。

1 各種決済制度に関する運営企画
2 手形交換制度の整備改善
3 個人信用情報に係る業務の運営企画
4 相談、苦情処理および紛争解決に関する業務の企画、運営
5 金融経済および銀行経営についての調査研究
6 銀行業務および銀行事務の改善に関する調査企画
7 銀行の社会的機能等に関する広報 など

Q2:団体の構成はどのようなものでしょうか?
   全銀協は、国内で活動する銀行、銀行持株会社および各地の銀行協会を会員とする組織で、10月現在、248会員です。銀行からの出向者は20名ほどいますが、200名ちょっとの職員は、全員、協会事務局の職員として採用された、いわゆるプロパー職員です。

Q3:全銀協の機能や役割は何ですか?
 銀行業の健全な発展を通じてわが国経済の成長に貢献することを目的に、全国的・国際的なレベルでさまざまな活動を行っており、日本の国内で活動している民間銀行のほとんどが加盟しています。  全銀協では、わが国の経済活動に不可欠な決済インフラの運営をはじめ、お客さまに安心して銀行を利用していただけるよう、銀行取引の適正性の確保や消費者保護のための活動を行っています。また、業界全体のコンプライアンス意識の徹底や環境問題への対応など銀行業界全体のCSR活動を推進しています。  このように、全銀協の果たすべき機能・役割は、従来の業界団体としての銀行の利益向上を目指す活動から、消費者保護のための活動や環境問題への対応など、その活動の幅を広げています。

Q4:全銀協が今、力を入れている活動はなんでしょうか。
全銀協では様々な活動を行っていますが、そのなかで今、力を入れている活動は、手形に代わる新たな支払手段である「電子記録債権」を記録・流通させる社会インフラを提供することです。 電子記録債権は、2008年12月、中小企業など事業者の資金調達の円滑化を図るために創設された制度であり、これまで手形の事務手続きや印紙税、保管・搬送等に悩まされてきた事業者や、支払手段を一本化して資金を効率化させたい、あるいは売掛債権を有効に活用したい事業者にとっては、これらを解決する新たな決済手段として大変期待されています。 全銀協では、電子債権記録機関の準備会社(通称:でんさいネット)を本年6月に立ち上げ、平成24年5月に開業することで準備を進めており、「参加金融機関」は当協会の正会員(123行)のほか、全国の信用金庫、信用組合、商工中金等(1,188金融機関)が参加金融機関になることを表明されています。これにより、大企業・中堅企業・中小企業・個人事業主を含めた国内企業間取引の支払手段を提供する社会インフラとして、広範な事業者を利用者として受け入れる体制が整う予定です。 今後は、でんさいネットの専用ホームページや各地での説明会等を通じて、中小企業をはじめとした利用者の理解促進を図るとともに、参加金融機関と連携して、平成24年5月の開業を目指して準備を進めて参ります。

Q5:決済インフラの運営とは具体的にどのようなことを行っているのですか。
 全銀協では、銀行が参加する決済システム等の企画・運営を行っています。例えば、協会が運営しているもので、振込・送金等を担う内国為替制度(全銀システム)、外国為替取引の円決済を担う外国為替円決済制度、および手形・小切手等の決済を担う手形交換制度(手形交換所)の3つがあります。  そのうちのひとつ、全銀システムは、昭和48年4月に発足したオンラインのデータ通信システムで、都市銀行から農業協同組合まで民間金融機関のほぼ全てが参加しており、1日平均約500万件、取扱金額は年間2,600兆円の取引が行われるなど、わが国の決済システムの中核として大きな役割を果たしています。  世界的にみても、振込依頼をリアルタイムで処理し、当日中に決済が完了する大規模なシステムを持っている国は見当たらず、全銀システムは高い評価を受けています。

Q6:銀行取引の適正性の確保や消費者保護のための活動とは具体的にどのようなことを行っているのですか。
 全銀協は、お客さまが安心して銀行との取引をしていただけるよう、銀行と消費者間の取引の公正性確保のためのルール制定や、トラブルを解決するための取組みを行っています。  例えば、全銀協では、銀行に関するさまざまなご相談やご照会、銀行に対するご意見・苦情を受け付けるための窓口として「全国銀行協会相談室」を設置しています。また、相談室による苦情対応ではご納得いただけないお客さまは、全銀協が設置する「あっせん委員会」をご利用いただけます。 「あっせん委員会」は、お客さまと銀行の双方から資料等の提出を受けたうえで、事情をお聞きし、解決のためのあっせん(和解)案を提示する、弁護士、消費者問題専門家、全銀協役職員等で構成される中立・公正な委員会で、平成20年10月から運営をしています。 そのほか、振り込め詐欺、盗難通帳などによる預金の不正な払戻し、マネー・ローンダリングなどの金融犯罪に関して、金融庁や警察庁等と連携しつつ、各種対策にも力を入れています。 また、全銀協では、カウンセリングサービスの実施、多重債務防止啓発活動などを通じて、銀行業界としての多重債務問題の解決を推進しています。

Q7:業界全体のコンプライアンス意識の徹底や環境問題への対応など銀行業界全体のCSR活動とは具体的にどのようなことを行っているのですか。
 銀行は、金融サービス業の中核として、高い公共性を有し、広く経済・社会に貢献していくという重大な責任を負っており、各種法令やルールを厳格に遵守する等、コンプライアンスの確立は、銀行の健全性を確保するうえで非常に大切な課題です。全銀協では、行動規範や各種ハンドブック等の制定、セミナー、講演会の企画・開催等を通じて、銀行が法令改正や制度変更等について的確かつ迅速に対応できる自律的な枠組みを強化・整備するサポートをしています。 環境問題への対応では、地球温暖化防止策として電力使用量の削減目標等を設定しているほか、環境問題の重要性に対する認識を共有することを目的として、環境講演会を毎年開催しています。また、銀行の環境活動を銀行別・テーマ別に見られる「全国銀行ecoマップ」などの環境関連Webサイトも公開しています。 そのほか、金融経済教育活動では、銀行の機能や役割、金融商品の仕組みや特徴などを広く一般の方に理解していただくために、パンフレットやパソコンソフト等を全銀協で作成し、無料で利用していただけます。そのほか全国各地への講師派遣、銀行の商品・サービスに関する情報を掲載したホームページの運営などの活動も行っています。

Q8:最後に、学生にメッセージをお願いします。
長い社会人経験のなかで、仕事への「こだわり」、「チームワーク」、「視野の広さ」が重要であると感じています。 社会人になるとつらいこともあると思いますが、この3つがあれば必ず活躍できる社会人になれると思いますので、めげずに頑張ってください。

ありがとうございました。

取材担当者 小林雅和

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